特定非営利活動法人クルーズ

きれいごと抜きのインクルーシブ教育II 擬似体験学習会

8月25日(土)に行われた、多賀一郎先生と南惠介先生の「きれいごと抜きのインクルーシブ教育Ⅱ」セミナーに、『心の輪を広げようプロジェクト』として擬似体験学習の場をいただきました。
タイムスケジュールは、1、多賀先生の講座 2、体験授業 3、南先生の講座です。

多賀先生の講座では、インクルーシブを妨げるものについて。
*偏見[誰でも持っているもの]
*無理解[祖父母に理解してもらえない、発達障害を精神障害と同じだという思いこみ]
*学校の旧態然とした部分[厳しく躾ける・みんな一緒、普通は・多様性の排除・立ち歩きは×]
*当事者と縁者間の言葉が壁を作ること[当事者の『こんなものじゃない、それが全てではない』の言葉。確かにそれは正しいことではあるかもしれないが……人の心を打たない]

多賀先生の「ハードルを越えたいと思っている人は沢山いる。多くの人にこっち側に来てもらうため(理解を広めるため)には、言葉の壁を控えることも大切ではないか」というお言葉が、当事者(家族)である私には、すごく心に響きました。
「いま、現場の先生はとても悩んでいる。知っているけど、見たことはあるけれど、どう接したら良いかが分からない」とのお話も『当事者としてこれから自分たちができることは?』と改めて考える機会となりました。

続いては、私たちの自閉症や発達障害者の見え方・聞こえ方・感じ方など、4つの体験を軸にした擬似体験です。
普段は、福祉教育を勉強し始める小学4年生を対象におこなうことが多いのですが、今回は、多賀先生と南先生のインクルーシブ教育セミナーということもあり、対象者が、学校の先生や事業所関係の方などでした。
大人向けの擬似体験にするべきか……いや、関係者、そして大人の方々だからこそ、普段おこなっている小学4年生用の擬似体験をそのまま体験していただこうと決めて、やらせていただきました。
(あらかじめ、皆さんには「小学4年生になったつもりで体験してください」とお願いしました(笑))勉強するというのではなく、『知る』『感じる』を体感していただけていたら、嬉しいです。

南先生の講座は、生(ある意味、生々しいほどのライブ感です)の実践を包み隠さずに見せていただきました。これはもう、南先生のお人柄だからこそというか、先生そのものが実践というか……。
『自分が空気になれるなら、先生の教室に行ってその空気に混ざりたい』と思いました。
*お互いの良いところを見つけるということが人とつながるということ。 *わたしの『ありがとう』を伝える。感謝や必要とされている感情は残る。 *ほめるのは燃え上がって消えやすい。 などなど。自分はどうかなぁ?とドキっとしながら、あっという間の講座でした。

インクルーシブを考える時、なんだか難しいなぁと感じることは多いと思います。
関わる人も、当事者も。ハードルを消してしまうことは出来ません。……でもだからこそ、まずは当事者の私たちはハードルの奥にいるのではなくて前に出て、一緒に跳んでみる!くらいになれたら良いなと思います。見て、知って、感じて「ハードル跳ぶのって楽しい!」と思ってくれる人が、たくさん増えますように。

多賀先生、南先生、素敵な体験をありがとうございました。

(文 高村陽子)

きれいごと抜きのインクルーシブ教育II 擬似体験学習会1 きれいごと抜きのインクルーシブ教育II 擬似体験学習会2


ホーム RSS購読 サイトマップ
トップページ クルーズとは お知らせ・情報 活動内容 賛助会員募集