今現在、学びの場から社会に出た障がいのある人々が、育った地域で安心して自立した生活ができる環境は、未だ構築できているとは言いがたい状況です。その理由は、「障がい」を理解し、受容し、自然に支援できる社会ができていないからと考えられます。地域を離れ、特別な支援を受けられる学校、施設の中で暮らしてきた時代が地域住民と障がいのある人々との接する場・時間を奪い、相互理解の機会を失ってしまったのかもしれません。

障がいがある人々が安心して暮らせる社会は、障がいの有無にかかわらず、「支援を必要としている人が支援を享受できる」誰にも優しい社会です。生活の場で、職場で、取引先などで自然に障がいのある人々と暮らすことにより、その成熟した社会が築かれるものと考えます。
そこで、私たちは障がい者および障がい者施設と地域の企業・住民の間に入り、共に仕事をする機会や接する機会を創り出す必要を感じ、任意団体KOBE心の輪を広げようプロジェクト委員会を設立しました。具体的に企業からの仕事を障がい者施設に紹介したり、地域住民が「障がい」というものを考える契機となる催しなどを企画・開催し、現在に至っています。
今後、これらの活動をさらに拡充させ、障がい者施設や広く一般市民に対して福祉啓発・障がい者施設の支援に関する事業を本始動させたいと思います。活動を安定して継続的に行うために、地域に住む多くの人々の信頼・信用が欠かせないと考え、特定非営利活動法人を設立することとしました。特定非営利活動法人クルーズの活動は、障がいの有無にかかわらず地域住民が相互に支え合い、障がい者が普通に暮らせる「自立と共生」の地域社会づくりに寄与することを目的とします。

理事長　　川崎 孝子

「人生は航海なり」という、ヴィクトル・ユーゴーの名言があります。
人生とは、ある港を出帆して大洋を航海するようなものであり、楽しいうちにも困難に遭い、目的の港に向かって進んでいく。
障がいのある人たちの航海は少しゆっくりで時に遠回りもすると思います。しかし、たくさんの方に支えられ見守られながらゆっくりと風を頼りに自分なりの航海をしていく、
そのような彼らの航海に想いを込めて『クルーズ』としました。

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